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観光立国

イギリス人で元ファイナンシャル・アナリストであるデービット・アトキンソン氏は、その著書「新・観光立国論」において、これから人口が減少する日本が経済成長を果たしていく上で、観光産業の重要性を訴えています。デービット・アトキンソン氏は日本が観光立国、観光大国になるためにはどうすればいいか、数字を交え分析的に提案をしています。

観光立国とは、その国が持つ特色ある自然環境、都市景観、美術館・博物館などを整備することで、国内外の観光客を誘い込み、観光ビジネスやそこから波及する雇用など、人々が落とすお金を国の経済を支える基盤の一つとして確立することだとされています。

観光立国になるには、4つの条件が必要だと言われています。

・気候
・自然
・文化
・食事
です。

このような条件がそろっている典型例は、フランスです。フランスは、多種多様な観光が存在するなかで、複数の観光を提供できる国といえます。ワイン畑をめぐる観光もあれば、高級ブランドをめぐる観光もあり、史跡をめぐる観光もできる。南仏でのビーチリゾートや、アルプスやピレネー山脈の田園地帯の観光など、ありとあらゆる観光を楽しむことができます。

パリにはルーブル美術館があり、近郊にはベルサイユ宮殿があり、また背かにのファッションシーンをリードする最先端のファッションブランドやアーティストも集まっています。また、料理もフランス料理として有名です。

タイも気候という面では変化に乏しいですが、それ以外の条件は多くを満たしています。プーケットに代表されるアイランドリゾート、北部の森林など自然に恵まれています。また仏教国として独自の文化を築いており、アユタヤのような歴史的遺産も数多く残っています。

そしてトムヤンクンに代表されるタイ料理というジャンルも確立されており、外国人観光客にとっては屋台街に代表される食に関する楽しみも多くあります。

では、日本はどうでしょう。実は日本もこのような観光資源に恵まれているのです。

日本は温帯の属し、四季の変化に富んでいます。さらに、南北に長いので、暑い地域と寒い地域の差が大きいといえます。つまり、北海道でスキーができる一方、沖縄でビーチリゾートを楽しむこともできます。自然は地方には手つかずの自然が多くのこされています。

国土の多くが森林や山で占められ、屋久島の杉や富士山に代表されるように、山岳、山林という観光資源も多く存在しています。食事は「和食」が世界文化遺産になったことからもわかるように、重要な観光資源です。文化についても、日本には独自の文化があり、かつ多岐にわたっています。

能、歌舞伎、相撲、和歌、俳句、三味線、お琴などという伝統的な文化もあれば、アニメ、漫画、音楽、ダンス、ファッションという様々な現代文化もあるのが魅力です。文化財に関しても、お城、お寺、神社、日本庭園も数多く残っており、伝統建築も独特なので、外国人には非常に新鮮です。さらに、華道、香道、茶道、柔道、剣道、空手道、合気道などをはじめ、新党や仏教という宗教も外国人には興味をひかれることでしょう。

本書では、このように豊富な観光資源を有しているにもかかわらず、それを十分に活かしきれていない日本の観光への取り組みについて、多くの提言を盛り込まれています。

詳しくはこちらをご参照ください。


デービッド・アトキンソン 新・観光立国論



(その他の参考書籍)


新・観光立国論―モノづくり国家を超えて


イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)
















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